耳鳴りとは・・・

耳鳴りとは…


耳鳴りとは、周囲で音がしていないにもかかわらず、「キーン」や「ジー」という雑音・ノイズが耳の中や頭の中で聞こえることを言います。どなたも数秒鳴るような耳鳴りは経験があると思います。しかし、このような音が四六時中聞こえ、夜も眠れないなど日常生活に支障を来たすほど耳鳴りが続いている時や慢性的に耳鳴りが続く場合、耳や脳の病気が潜んでいることがあります。また、耳鳴りの症状が重くなると、不安が大きくなり、うつなどの心の病に至ることもあります。
耳鳴りが続く場合は、耳鼻咽喉科専門医を受診して、検査・治療を受けることが大事です。

耳鳴りの種類

耳鳴りにはいくつかの種類に分類されます。具体的には大きく2種類に分類されます。
  • 自覚的耳鳴
    本人だけが音を感じる耳鳴りです。通常、耳鳴りというと自覚的耳鳴のことを指します。自覚的耳鳴では患者さんの体内に音源となるようなものはありません。
    自覚的耳鳴の多くは内耳の蝸牛(鼓膜などから伝わった音の振動を電気信号に変える器官)や脳の中にある聴覚中枢の深呼吸や神経の障害により引き起こされると考えられています。

  • 他覚的耳鳴
    患者様の体内に音源がある耳鳴りのことを言います。本人だけでなく、第三者も音を聞き取ることができます。他覚的耳鳴は、まれな耳鳴りで主なものは以下の二つがあります。

    ※血管性耳鳴(拍動性耳鳴):耳周囲の血流の異常が原因となって雑音が聞こえます。「ドクン、ドクン」、「ザー」などの脈拍に連動した雑音が特徴です。

    ※筋性耳鳴:耳周囲の筋肉の収縮リズムの異変が原因で雑音が起こります。「カチカチ」といったような硬い機械的なクリック音が聞こえるのが特徴です。

耳鳴りの原因

物音や人の声など耳の中に入ってくる「音」は空気振動として耳の奥の鼓膜を振動させ、中耳の奥の内耳に存在する蝸牛で電気信号に変換され、その電気信号が聴神経を伝わって脳に伝達されます。耳鳴りは音が脳に伝わるまでのどこかに原因があり、異常な電気信号が内耳で発生し、脳に伝達されたと考えられます。

耳鳴りが起こる可能性のある具体的な原因は、ほとんどの場合、難聴が背景にあります。難聴がないにもかかわらず耳鳴りがある場合を「無難聴性耳鳴」と呼びます。

それとは逆に難聴を伴う耳鳴りもあり、難聴を起こす病気であればどれも耳鳴りを起こす可能性があります。

難聴で耳鳴りを起こす原理は以下のようになります。
→難聴が生じることで、脳に音の情報が本来よりもわずかしか届かなくなります。すると脳は音をもっとよく聞き取ろうとして感度を上げていきます。その状態が続くと、元の音がなくても音の回路が固定してしまうことで「耳鳴り」になると考えられています。実際に耳鳴りは聴力の下がっている音の高さで起きていることが多いと言われています。

《難聴を伴う耳鳴りの主な原因》


加齢による聴力低下:耳鳴りの原因として最も多く挙げられます。誰でも年齢を重ねると、程度の差はあっても聞こえが悪くなっていきます。耳鳴りは難聴を伴うことが多いので、加齢とともに耳鳴りの頻度は多くなっていきます


騒音:大きな音にさらされる(例:工場、建設現場の騒音、コンサートなど)ことで耳鳴りが出現することがあります。大きな音は内耳の蝸牛にダメージを与え(音響障害)、難聴とともに耳鳴りを引き起こすことがあります。より大きな音であるほどより短時間で難聴になってしまいます。

*薬の副作用:薬によっても難聴と耳鳴りが起こることがあります。ただ、日常で使用される薬であれば、用法用量を守れば持続的な難聴や耳鳴りを起こすことはまずありません。一部の抗菌薬、抗がん剤などにより難聴や耳鳴りを起こすこともありますが、これらの薬剤は使用によるメリットが上回るとされた時のみ、同意の元に使用され、さらに聴力チェックなど定期的に行い慎重に使用されます。ですから、日常的に医師より処方される薬に関しては過剰に心配する必要はありません。

ストレス:仕事や人間関係の悩みからくる精神的なストレスや不規則な生活習慣による身体的なストレスが耳鳴りを増強することがあります。

*そのほかの耳鳴りを伴うことのある疾患

・突発性難聴

突然に耳(片耳の場合がほとんど)の聞こえが悪くなる疾患で、原因は不明です。ステロイドなどの治療で良くなる場合もありますが、治療が効果を示さない場合もあります。早期に治療を開始することが重要です。めまいを伴うこともあります。                

・メニエール病

内耳にあるリンパ液が溜まりすぎてしまう(内リンパ水腫)ことで、めまい、難聴、耳鳴りなどの症状を来たし、これらを繰り返すことが特徴の疾患です。これらの症状を繰り返すうちに、状態が悪いまま固定することもあります。                               

・耳硬化症

音を鼓膜から内耳に伝える、耳小骨の動きが悪くなり、難聴を来たす疾患です。治療法は手術が選択されることもあります。

・慢性中耳炎

鼓膜の奥の中耳に慢性的な炎症が起きている状態です。通常は鼓膜に穴が開いており、増悪時には耳だれが出たりします。感染しやすいため、感染予防が大事になってきます。手術をすることもあります。

・真珠腫性中耳炎

鼓膜付近に、周囲の骨を溶かして進行する真珠腫というものができてしまう疾患です。進行すると脳の症状を起こして危険な状態になることもあります。手術治療が選択されることが多いです。

・聴神経腫瘍

耳と脳をつなぐ神経にできる腫瘍です。難聴、耳鳴り、めまいなどを起こし、腫瘍が増大すると症状が増悪します。最近はMRIの普及により小さくても腫瘍が発見されるようになりました。ある程度の大きさまでは経過観察することが多いです。大きくなってきたら手術・放射線治療で治療します。

耳鳴りの検査

  • 標準純音聴力検査:音の聞こえの程度や、障害となる部位を調べる検査です。
  • ティンパノメトリー:鼓膜の動きを調べる検査です。
  • THI:耳鳴りが日常生活にどの程度影響を及ぼしているかを自覚的に点数化するアンケートに記入して頂き、耳鳴りの程度を評価します。

耳鳴りの治療法

薬物療法

  • ビタミン剤、末梢血管拡張薬、代謝改善薬など
  • 抗不安薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬など
  • 漢方薬

音響療法(TRT)

TRT(Tinnitus Retraining Therapy)は、薬物療法に抵抗のある耳鳴りに対して行う治療法です。この治療法は、カウンセリングとサウンドジェネレーターという補聴器のような専用器具を使用します。耳鳴りの原因を根本的に治療するのではなく、耳鳴りと違った雑音・ノイズを聞くことによって、耳鳴りを意識から遠ざけ、ストレスを軽減する治療法です。カウンセリングとは、耳鳴りが起こる原因、聴覚のメカニズム、耳鳴りがストレスとなる原理、TRTによる仕組みを理解していただき、耳鳴りに対する知識を深めてもらうために行います。

当院では補聴器外来に通院して頂き、耳鳴りの状況とサウンドジェネレーターの使用感などを定期的にヒアリングしていきます。

TRTの効果が現れるのに数か月かかることが多いです。継続が必要になる治療です。

耳鳴りの問診票

耳鳴りで受診される場合、こちらの問診票を印刷していただき、受診の際にご持参して頂くと耳鳴りの評価に役立ちます。

→問診票はこちら

医療機関情報

医療機関名
ふくろうの森耳鼻咽喉科
院長
中村 健大
住所
〒187-0002
東京都小平市花小金井2-9-6 2階
診療科目
耳鼻咽喉科
電話番号
042-462-2960